《MUMEI》 「お前、誰だよ。私の夫を奪うつもり?」 「………い、や…」 おっ と? 一之瀬君に目をむけても、こっちを見てくれない 夫って なに? ねえ 「ころす」 ゆっくり椅子から立ち上がる 奥の部屋から一之瀬君がくる 逃げなきゃ、と思うのに 体はわたしのものになってくれない 「やめてくれ……!」 たすけて こわい 一之瀬君のお母さんの手がわたしの首を しめる 強くて 強くて 声もでない 前へ |次へ |
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