《MUMEI》

「…………って訳なんだけどね、どうしたらいいと思う?」




「知るか。」
こっち振り向きもしないで勉強してる。


「乙矢キュンが冷たいよ〜……」
乙矢の枕に顔を埋めた。眠たくなる弾性の強いベッドだ。

「あ、相談ついでにどうしても解らない問題があるんだけど!」
迷惑そうに顔をしかめつつ教えてくれる。普段は勝手に遊びに行くだけなんだけど、どうしても解けないときは乙矢に聞くのに限る。

乙矢に聞けるのは俺の特権。よく暴れたから七生には乙矢は絶対教えないし、七生も聞かない。




「おー鮮やか」
乙矢の解き方は本当無駄が無い。拍手。


「帰れよ」
また突っぱねて。


「さっきの問題は?」


「自分達で我慢しろ。俺に言わせるな。」


「だって相談出来る人乙矢しかいないし……」
ずっと乙矢はいつだって悩んでいるとき聞いてくれたじゃないか。

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