《MUMEI》
少年は接触した
 
 少年は少しだが母国語を話すようになった。彼らは考えを持っていた。少年の中には父のような「狂気」があり、母の「孤独」があった。彼の違いを知るのに時間はかからず彼自身も自分の違和感に気づいた。
 「おはよう」とかれは母に挨拶をする。
 「ねぇ、今度あそこに行かない?」母は、彼に子供の遊び場の情景をさしながらいう。
 「いやだ、僕は違うもん」と彼はおもちゃをいじりながら言う。
 「そうなの?でも行かなきゃわからないかもよ?」と微笑んでいる母がいる。だが彼女の微笑みはいつもの微笑みと違いぎこちない微笑みだった。

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