《MUMEI》

戻ってみれば斎藤は寝の最中
何かあればと用心のために置いて行った羊も寝姿そのままに熟睡で
「……傍に居てやれとは言ったが、熟睡しろとは言っていないんだがな」
つい愚痴る様に呟きながらも、斎藤に何事もなかった事に安堵し
溜息に肩を落とす
その息の音に黒羊は眼を覚ました
ゆるりロンの方へと歩み寄っていくと、その腕に収まりまた寝に入る
「……仕方のない奴だ」
やれやれとまた溜息を吐きながらも
ロンは寝入る一人と一匹を見やりながら、微かな笑みを浮かべたのだった……

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