《MUMEI》
俺も慌ててしゃがみ込む。
「何か危なっかしそうだったから…、ゴメン…な?」
裕斗はうつ向いたまま頭を左右に緩く振る。
「伊藤さん…」
「ん?どうした?」
俺は赤ん坊に話かける様に、出来るだけ優しく…聞き返す。
「伊藤さん!!」
ガバッ!!
「へ…?」
裕斗は突然、俺の首に腕を回し、抱きついてきた。
そして…
「どうし………フッ…」
突然裕斗の顔がアップになったかと思うと…
――俺は裕斗に、
唇を塞がれた…。
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