《MUMEI》

集中を切らせて目を開けるとロイドとイズモは
律儀に立って待っていたがゼスは寝ていたので
それがイラッときて思わず蹴り起こした。


「ロイド、お前はランドルシア王国の事をどこ
まで知っている」
ロ「ランドルシアですか?そうですね……――
世界を作り出した太陽神アデルザダンと月神女
イヴハートスはその世界に自分の分身を下ろし
た。アデルザダンの分身は力と正義で『ディオ
マティス帝国』を、イヴハートスの分身は知識
と心で『ランドルシア王国』を建てた――と本
に書かれているのは知っていますか?」
「……ああ、ついでにお前の記憶力の良さも今
知った。(本に書いてあるの丸暗記してるのか
こいつは!?)」
ロ「ディオマティス帝国と同じくして神により
作られ、栄えたのがランドルシア王国で、その
王国は今から五十年程前に"消えた"と言われて
います」
「"消えた"……?」
ロ「王国の名残も残さず、跡形もなく消えたそ
うです。継承者が亡くなったからだと言われて
います」
「王には子はいなかったのか?」
ロ「いたとしたら国は残っているはず。消えた
今、恐らくは……」
ゼ「あ、そう言えば!!」


蹴り起こしてもなおウトウトしていたゼスがい
きなり声をあげたため皆驚き、ゼスを見た。


「……どうした?」
ゼ「報告し忘れてたんだが、そのランドルシア
王国だったか?その王国が再び現れたんだと」
「は!?」
ゼ「部下の一人に里帰りの途中に今まで見たこ
とのない国が建っていたと聞いて、調べると位
置的にかつて王国があった場所と同じく所にあ
ったからもしかしたらそれがランドルシア王国
じゃないかなと……」
ロ「何でもっと早くそれを言わないんだよ!?」
ゼ「だー!だから忘れてたんだってー!!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫