《MUMEI》

クロードの事、エルフの里と女王の指令を話す
と納得してクロードへの警戒は弱まったが、分
からないことが多かった。



「消えたはずの王国の復活……それでエルフの
女王は王国の事を調べているのか……あいかわ
らず「ノビルーニオの真実」というのは分から
ないままか」
ロ「五十年前となると難しいですね。先代は知
っていたのでしょうか」
ゼ「イズモは何か知らねぇのか……っていない
し!?」
「イズモなら早速ランドルシア王国を探りにい
った」
ゼ「い、いつの間に……」
ク「っ……」
「……間違ったとはいえ毒をもったから罰を受
けるって?何をバカなことを……、罰を受ける
なら俺の方だろう」
ク「!?」
「我が国の民がこんなになるまで悩んでいたん
だ、気付けなかった私が悪い」
ク「……?」
「隈、髪で隠しているようだが分かるぞ。折角
綺麗な顔なのに」
ク「っ!///」
「我が国にいる以上誰であろうと愛する民の一
人だ。お前は知らぬかも知れんがゼスはハーフ
ウルフだ」
ク「……!?」
ゼ「シド様にバレた時は驚いたよ。シド様が公
言したからこの国の人なら皆俺がハーフウルフ
だって知ってるんだぜ?お陰で俺は怯えること
なく生きられた。だからお前も部屋に籠ってな
いでもっと外に出ればこの国の良さが分かった
はずだぜ」
ク「……!」
「気付いてないとでも思ったか?お前はいつも
遠慮して、誰ともあまり話さず、部屋に籠って
いる。お前を慕い心配する奴等が沢山いて此方
は大変なんだよ。……だから、遠慮するな」
ク「……っ」


静かに涙を流すクロードをそっと抱き締めた。
そんな俺達を二人が優しい目で見ている。それ
がとても誇りに思えた。

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