《MUMEI》
ちょっとした閑話3
対決の数日後、再び皆を玉座の間に呼んだ。


「皆を呼んだのは他でもない。前回中途半端に
終わってしまったからな、その続きをしたい。
では、レオナルド、ユーリウス、マダム・アナ
スタジー、ミス・アンジェリカ、フィリップの
五名は前に!」


呼んだ五人は前回とは違い前に来ると膝をつき
頭を下げ、礼をとった。


「国政のため新たに組織を作ろうと思っている。
私も王として道を外す事もあるかもしれん。そ
の為、大臣兼相談役「帝国会」の代表になって
もらう」
全「「「!?」」」
ロ「「帝国会」とは新たに作られる組織でして、
国に関わる会議や帝国憲法の執行などを取りま
とめる役目をもちかます。ユーリウス様には武
術面、フィリップ様には魔術面、マダム・アナ
スタジー様には外交面、ミス・アンジェリカ様
には知識、研究面、そしてレオナルド様には代
表のリーダーとして総合面を担当していただき
ます」
レ「よ、よろしいのですか?そのような大役を
……」
「王に意見するものでなければ会議にはならん
からな。君達が適任だと思うが?で、どうする」
レ「わかりました。この名にかけて、そのお役
目受けさせていただきます」


レオナルドと同じように頭を下げた残りの者達
を見て安心した。


「では、次にゼス」
ゼ「はっ」
「名を」
ゼ「ゼス・ワンダーです」
「違うな、それは偽名だろう?そして、姿も」
ゼ「え!?」
「正直に言え。……大丈夫だから」
ゼ「!……ゼルス・ウルファンダー……ハーフ
ウルフ」


そう言ったゼスの頭には黒い尖った耳と黒いフ
サフサの尻尾が生えた。その瞬間後ろにいた人
々は叫び逃げるように離れた。


「何をしている」
男「な、何ってそやつはハーフウルフですぞ!?」
女「なんて汚らわしい」
「ええ、実に汚らわしいですね。あなた方の心
は」
女「なっ」
「ハーフだからなんです?何を恐れることがあ
る。間違った思い込みで心を汚すんじゃない」
男「何を言って……」
「人間と何ら変わらず、心をもつものを人と言
わずなんという。なぁ、ゼス」
ゼ「シド様……」
「この国にいるならば我が民であることに間違
いない。ハーフウルフのゼス、我が民であるこ
とに誇りを持つことを誓うか?」
ゼ「俺の持つ全ての力を持って誓います」
「ならば、ゼスよ。兵による「帝国守護団」通
称ディオスガードをお前が団長として作りあげ
よ」
ゼ「!?」
「ユーリウス、お前が後見人になれ」
ユ「俺がですか?」
「ユーリウスならばこいつの良いところを分か
ってくれるだろうからな、いいな」
ユ「かしこまりました」
「ゼスもいいな?」
ゼ「は、はいっ!」


後の貴族達は地位はそのままにした。しかし中
には不満そうなものがいたが「お前達は今まで
何をしていた?」と言えば皆黙った。


「最後に言っておく。私は人種差別や無差別な
争いを許さない。代わりに私はこの国を命をか
けて守り、民を愛そう」


頭を下げた彼らを見て、王として近づけた気が
した。


ロ「あのー因みに私は?」
「ああ、お前は私の直属の部下」
ロ「それだけ!?」
「一応、私の次に偉い地位だぞ?」
ロ「……えーー」

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