《MUMEI》 2「……遊園地、ですか?」 友人らから誘われていた旨を小鴨に伝えてやったのは前日、その夕食時 小鴨は用意していた鍋を囲みながらその話を切り出していた 鳥谷からのソレに驚いた様子の小鴨へ この話を持って帰るに至ったその経緯を説明する 「って訳だけど、どうする?」 いやなら断ってもいいんだがと、続けてやれば 小鴨は鳥谷を徐に見上げながら、鳥谷も一緒に行くのかを問う 小鴨が行くのなら、と返す鳥谷へ 「なら、行きます」 との返答 ソレを友人らへ電話で話してやれば皆大喜びで 何もそこまで騒ぐ事はないだろうに 余りのソレに鳥谷は溜息を吐き、切るぞの一言で電話を切った 「なら、お弁当が要りますか?」 「ん?」 無造作に携帯を放り出せば、小鴨がそんな問い掛け 一体何の事かと鳥谷が首を傾げてしまえば 「材料、何も買ってないです」 これではお弁当が作れない、と悩み始めてしまう 珍しくその眉間に皺まで寄せる小鴨へ 「コレ食ったら、買い物にでも行くか?」 切り出してやる 鳥谷からのその申し出 それが意外だったのか小鴨は僅かに驚いたような顔 だがすぐに笑みを浮かべ頷いて見せた それから互いに食事を平らげ、身支度を適当に整えると近所のスーパーへ 「お弁当に、唐揚げは欠かせません!」 そう力説する小鴨が手に取ったのは、特売のグラム98円の鶏もも肉 600g程もあるソレに、一体何人分作るつもりなのだろうと鳥谷は小鴨を見やるn だが小鴨が楽しそうなので敢えて言わずに置いた それからも弁当の材料をあれやこれやと買い込み、帰宅 買ってきた材料を並べ、コガモが準備を始めた 珍しく機敏なその動きを眺め、鳥谷は肩を揺らす 「あんまり今から気合入れると、途中、エンスト起こすぞ」 ゆっくりやれ、と小鴨の頭を撫でてやれば 小鴨は一時動くことを止め、頷いていた それから着々と準備は進み、後は火を通し弁当箱に詰めるだけの状態 食卓にずらりと並んだソレに、コガモは満足そうな顔だ 一体何人分あるのだろう 一通りを見回し、鳥谷はそんな感想をつい抱いてしまうが 楽しそうな小鴨の様のに、敢えて突っ込む事はやめて置いた 「明日は、腫れるといいですね」 「そうだな」 互いに笑みを浮かべあいながら 明日のために今日は早く寝ようと、各々自室に入り寝に入ったのだった…… 前へ |次へ |
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