《MUMEI》

「じーろー居るだろ!」


「不法侵入。」
七生の騒がしい音声と乙矢の起伏の無い声が聞こえる。


「え?何処隠しやがったよ!」
七生が漁っている。ひぃぃぃぃ。


「いないだろ?」


「んー……マジ逃げ?」
ベッドに突っ込む(ような音がした)。


「ちょっとやり過ぎなんじゃない?お前は経験豊富だろうけど二郎はなにもかもが初めてなんだから。


落ち着けよ、盛りついたペットでももっと頭使う。」


「うーわ、ご立腹?

てか、大分俺は落ち着いてるし。

二郎が見てくるんだからしょうがないだろ!」
なんだとコラ!


「大切にしてやれよ、お前には勿体な過ぎてお釣りが来るくらいだ。」


「解ってるよ!二郎が無意識に誘惑してくるのを堪えるのも俺の使命だ。
つか、超大事にしてる!まだヤってないし!」
ヤ……ヤるとか言うな馬鹿ー!


「嘘つけー(笑)七生が?」


「嘘違うわ!全ッ然我慢してるから。二郎は常に満たしてあげたいし、少しずつ俺を受け入れてくれればいいって考えてる。

一生連れ添うって決めたんだ。焦ってる訳じゃない。

いつも追いかけてくれてた分今度は俺が尽くしてあげたいから。」



……七生……。




感動したかも。

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