《MUMEI》

「教えて欲しい。五十年前の事を」
レ「私ではなく私の友人から聞いた話なら……
いや、その前に陛下はランドルシア王国の事は
あまり御存じではないでしょうから、まずはラ
ンドルシア王国の事です――」


ランドルシア王国はディオマティス帝国の力と
正義に対し、智力と心の国で、王国は歴史は勿
論、あらゆる分野の書物が集まる図書館や、学
院、病院など科学的にも進歩していた。信仰も
あり、王国を創ったと言われている月神女イヴ
ハートスを崇め、その子孫であるランドルシア
王家は女帝制だった。信仰深い王国では月にち
なんで一月の始まりを毎月神殿にて王が祈りを
捧げていた。その神儀は「プレギエーラ・ノビ
ルーニオ(新月の祈り)」と呼ばれていた。満月
の日には王国ではイベントも行われていた。


「プレギエーラ・ノビルーニオ……「ノビルー
ニオの真実」はこれからきているのか」
レ「続きを話しても?」
「ああ、すまない。続けてくれ」


ランドルシア王国はその争いを好まないことか
ら他種族の加盟も多く、竜や人魚、ウルフなど
幻獣が住まう幻宮領の王である王獣。小人や精
霊、一角獣を束ねるエルフの里別名、聖園郷の
女王の二つの勢力が代表的でランドルシア王国
から幻宮領と聖園郷の世界に行けるゲートも作
られていた。


「成る程、だからエルフの女王が王国復活に動
き出したのか……ランドルシア王国の事は大体
分かった。「ノビルーニオの真実」はどういう
意味なんだ」
レ「あくまで友人から聞いたことです。「ノビ
ルーニオの真実」は新月の真実。五十年前のプ
レギエーラ・ノビルーニオの儀式の最中に当時
の女王が殺される事件の事」
全「「!?」」
「女王が殺された……?何故だ?一体誰が」
レ「そこまでは私にも……その友人も同じよう
に襲われて、命からがら逃げ出して、私に女王
の死を知らせてそのまま……」「……分かった。話してくれてありがとう」
ロ「女王が殺されていただなんて……女王を殺
してどうするきだったんでしょうか」
「普通に考えると何も知らない犯人は女王を殺
して、自分が王になろうとした、が妥当だろう
な。ま、国まで消滅したためその野望も地に落
ちたかな」
ク「!……もしや今回王国が現れたのは王位継
承者が現れたから……?」
「その可能性が高いな。事件を調べているエル
フの女王もそう思っているだろうな」
ロ「……ランドルシアの姫が生きていたとした
ら」
「だったら王国は消えていないだろう……子孫
がいないはずなのに子孫が現れた……わからな
いな……こうなったら」
ロイド「……シド様、まさか」「こうなったらランドルシア王国の王位継承者
を探すぞ!!」

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