《MUMEI》
変態紳士と終わらないフェラ 筒隠月子
今宵の相手はこの娘で決まりだ。

ラノベ原作のアニメ『変態王子と笑わない猫。』のメインヒロイン、筒隠月子(つつかくしつきこ)。

おれと同学年の高校1年生で、きれいなショートヘアの右側にある、尻尾みたいな一房のおさげがトレードマーク。

年齢の割には容姿が幼く胸も控えめだが、まごうことなき美少女。自らの子供っぽさを嫌うあまり、感情表現の手段を失ってしまい、ふだんは無表情のちょっと不思議ちゃんっていう設定だ。

おれが高校に入学してから最初の春アニメ、今期放映中のなかでは、レールガンの御坂美琴と並んでお気に入りのロリキャラ。いわゆる「おれの嫁」ってヤツになる。まあ、まだ暫定なんだけどな。

おれの中で、『変猫』の月子ちゃんと常盤台のレベル5ちゃんは甲乙つけがたく、正直、どっちにも同じくらい惹かれるわけだが、今夜はなんだかロリ気分。

あ、でも設定的には月子ちゃんのほうが年上なんだっけ?だとすると、おれはロリコンではない?知らんけど。

って、たぶん男なら誰でもこういう根拠レスな性衝動を感じたことがあるはずだ。なんなんだろうな、この感じ。毎日、同じ料理ばかりじゃ飽きるのと同じかな?あるいは単に浮気心とも言う。

「月子、そろそろこっちに来てほしい。いるんだろ」

家族が寝静まった深夜1時すぎ。自室の灯りを落として鍵をかけてから、ベッドに仰向けに横たわって虚空にそう呼びかける。

するとやがて、おれは自分自身に覆い被さってくる華奢な少女の身体のぬくもりと柔らかさを感じた。

この感触は間違いない、正真正銘、ホンモノの月子だ。あの筒隠月子が、おれのベッドに夜這ってきたのだ。

「先輩は本当に変態さんですね。でも……私には私の考えというか、事情がありまして……だから、どんなお願いでも聞いてあげるです」

月子はおれの身体にしなだれかかり、甘えた仔猫のように耳元で上目遣いにそう囁く。

とてもきめの細かいショートの髪の毛が、おれの首筋にかすかに触れる。ゆったりとしたリズムを刻む吐息がくすぐったい。

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