《MUMEI》
継承者を探せ!
ランドルシア王国の王位継承者を探そうと思い
立ったが何しろ情報が少なすぎた。まず性別は
代々女帝であったため恐らくは女性。年齢や容
姿、所在は全く分からなかった。


ゼ「俺達が見つけられるもんならエルフの女王
様がとっくに見つけてただろうな」
ロ「手がかりは全くない状態でどうする気です
か?シド様も流石に今回は簡単にはいかない事
くらい分かっているでしょう」
「まぁな、取りあえずランドルシア王国に行っ
てみようと思う」
ロ「シド様、貴方は一国の王でしょうに。そう
簡単に許されるとでも……」
「帝国会には既に許可はもらっている」
ロ「……そ、そうですか」


旅支度をして、遠征軍を引き連れ早速ランドル
シア王国へと向かった。


ランドルシア王国はアスカリア大陸のディオマ
ティス帝国と丁度反対側のクランデリス大陸の
中央辺りに位置している。そのため王国に行く
には大陸を移動するため海に面するイビルニー
ド国へ行き、海を渡る船を用意しなければなら
ない。


定期的に大陸を渡る船は出ているが、大きさ的
に軍全員は乗せられないため、交渉の結果イビ
ルニード王から軍船を借りることになった。王
からは差し上げると言われたがそうそう海を渡
ることはないだろうと丁重にお断りした。


自分と同行したクロードは平気だったが他の者
にとっては慣れない船旅のため、殆どが具合の
悪い顔をしていた。


ク「ロイドさんやゼスさんも奥で休んでいます
が、陛下は体調の方はいかがですか?」
「何ともない。クロードは平気なのか?」
ク「各地を転々としていた時期もありましたか
ら、船や登山、野宿も平気なんです」
「なるほどな。だがほとんどは船酔いしている
ようだな」
ク「そのようですね」
「もしもの時に備えて、船に慣れるように特訓
させようか」
ク「それも良いかもしれませんね。さすが私の
惚れる陛下です」
「だあー!?抱きつくな変態め!!」
ク「あぁ〜小柄なのにしっかりとした体!海を
見つめるその凛々しい瞳〜!」
「ひいぃぃぃ!?」


その後無事、クランデリス大陸に渡り、船着き
場のあるルワンダという町に着いた。


ク「ルワンダに着きましたね。陛下、どうなさ
れましたか?船酔いですか?」
「……いや」


誰のせいだと睨むが素知らぬ顔のクロードに諦
め、後ろの兵を見るとロイド達をはじめ兵は船
酔いでフラフラしていた。俺も精神的に疲れて
いたため進行する予定を変え、そのまま町に泊
まることになった。

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