《MUMEI》
男友達
   〜麗羅視点〜


何で冷たい態度しかとれない私を、この3人は見放さないんだろう……?


私の涙が乾いた頃、誰かが口を開いた。


「こんなに天気いいし今日は、このままサボるか!」


栄実と昨日の奴Aは笑顔で頷いている。


私は失礼だと思いながらも、先程口を開いた人物に質問する。


「誰……?」


すると一瞬目を見開いたが、次の瞬間にはケラケラと笑い始めた。


「えっまさか俺!?


しかも今さら〜??本人に聞くなんて、麗羅ちゃん勇者だね」


失礼な質問をして怒られたらどうしようと思っていたが、笑ってくれたので安心して口を開く。


「自己紹介してないから名前分からない。

私は三島 麗羅」


私、自分から自己紹介なんかしたの初めてだ。


ちょっと恥ずかしさを感じる。


でもこの3人には、ちゃんと自己紹介しておきたいと思ったんだ。


深い意味はないけど……。


ただなんとなく、初めて私に向き合ってくれた人達だから、私もちゃんと向き合いたいと思った。


するとそいつは、ふわりと微笑んで自己紹介を始める。


「そうだったね!俺は、青浜 海!


麗羅ちゃんよろしくね」


笑顔って、いいな。


私も笑えるようになるかな?


「青浜か。よ、よろしく……」


"よろしく"なんて言ったことないから少し照れた。


すると青浜が、口を尖らせ冗談混じりに話し出す。


「え〜何で名字なんだよ〜!


海でいいぜ!!俺たち、もう友達だろ」


「あっ栄実のことも、もちろん栄実って呼んでね!


それ以外は認めないからね」


会話に入ってきた栄実は、ウインクをしながら人差し指をたてる。


「……うん。分かった。海に栄実ね」




"友達"


何度聞いても心の中が暖かくなる。


男の子の友達って初めてだ……。



すると昨日の奴Aが話に入ってきた。

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