《MUMEI》

「おれの嫁」とは、どこから来た、いったい何者なのか?

精緻な自動人形か?あるいはそれ以外の最先端技術の賜物か?

毎晩現れる「おれの嫁」たちは、なめらかな肌の温もり、甘い髪の香り、耳に残る優しい声音、淫らな愛液……といった外見的特徴のほか、人間とのコミュニケーションが成立する程度の知性や羞恥心を備えている。ソースはおれの五感。

「二次元キャラは単なる絵である」という予備知識、常識がなければ、まず現実の少女と区別がつかないであろうクオリティの高さを誇る。

あれが単なるドールの類でないのは明らかだ。かの有名なオリエント工業にも不可能だろう。

たしかに、世の中には酔狂な研究者や企業が存在している。

彼らが日夜、開発に取り組む人工現実のテクノロジーを結集すれば、そう遠くない将来において、生身の少女と見分けのつかない「おれの嫁」を製造できるようになるかもしれない。

だが少なくとも現代に、一般家庭であれを可能とする技術が存在するとは思えない。

ましておれは毎晩、気まぐれに「おれの嫁」を指名する。

コスト度外視でそのリクエストにいちいち応えても喜ぶのはおれだけ。

サービス提供側に何らメリットがない。

そう考えると、第三者による、何らかの技術が介在する可能性は、限りなくゼロに近いだろう。

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