《MUMEI》
野嶋拓也
そういえばこの間店長と浅野さんが一緒にいる所をみてしまったけど、仕事中に仲良くしている所は見たことがなかった。
なので尚更不思議に思えたのだ。
二人仲がいいはずないのに一緒にいるなんて変だなぁと…。
頭のなかでぼんやりと考えたりしていた。
余計な事を考えているうちにカフェテリアについてしまっていた。今日も体力勝負だ。
カランッとカフェのドアを開けると…
なんと店長と浅野さんが抱きあっていたのだ…。
菜々はものすごくびっくりした。
菜々が店に入ってきている事にきずいていない二人は抱擁を続ける。ドアから見えにくいところで抱き合っているため、音が聞こえないようだ。
二人にきずかれない様にそぉっと更衣室に向かう。
更衣室へ行く途中にばったりと速水さんに出会ってしまった。
「お疲れ様です〜」というと、速水さんが
「みちゃった?」
といった。
知らない振りをしようとすると、
「あの二人の事はみんなには秘密だよ。言ったらだめだよ。」
菜々は「わかりました」とこたえた。
「店長ね奥さんいるんだよ。でも浅野さんの事が好きなんて矛盾しているよね…。大人ってよく分からないよな。」といった。
「なんで速水さんは二人の事知ってるんですか?」

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