《MUMEI》

一つため息をつき、僕は上半身をゆっくりと起こした。

二、三度首を左右にふってから窓の鍵に手をかけ、ゆっくりと開ける。

柔らかい風が僕の頬を撫でた。

僕の部屋は、さびれたマンションの6階。

中にあるのはごくごくシンプルな小さなキッチンと浴槽もないトイレつきのバスルーム。

それに小さな冷蔵庫、ベッドにクローゼット、それから…

一冊のスケッチブック。

僕はベッドからさっさと出ると、おもむろにスケッチブックを掴んだ。

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