《MUMEI》

俺は無我夢中で裕斗の肌に舌を這わす。

――俺は今までこんな風に裕斗の事みてたのか?


いや、



…まさか…




でも…




何が何だか分からん…



「はあぁ、ああっ!」



俺の僅かな愛撫に、頭を振りみだし感じる裕斗。



駄目だ……、





もう止めらんねえ…



俺は裕斗のベルトに手をかけ外ずし、乱暴にジーンズを下げた。





「伊藤…さん…」





すると突然名前を呼ばれ、




俺は我に、かえる。




「あ…、ゴメン… 」




――何やってんだ俺!



若い男の子になんか
発情なんかして!!





俺は気まずさを感じながら、裕斗から離れようとした、その時…




「俺…、ベッドが良い」



「……へ?」

裕斗はスクッと立ち上がるとジーンズを上に上げ、
ふらふらとベッドルームに向かって歩きだした。

「マジっすか…、ゆうちゃん…」




俺は思わずそう、声にだして言ってしまう。




でもさっき童貞だって言ってたよな?




――キスは異常に慣れた感じがしたが…。




俺が…初めての相手??



えっと………





い、いや、もうボサッとしてんのは相手に失礼だろ!!




だ、抱かして貰うぞ…ゆうちゃん……。


俺はガッとシャツを脱ぎ捨て、ついでにジーンズも脱ぐ。

そして先に寝室に行った裕斗を追い掛けた。




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