《MUMEI》

「…………で、モノは相談なんだけど



初めてで男同士キモチよくヤる方法なんかある?」





「なーにが大事にしてるだーーーーーーーーーーーーーーー!」
奥に隠れてたけど、クローゼット内からつい出てきてしまいました。


「そこに居たのか!」
七生が引っ張り出そうとしたが乙矢の長い脚がカットする。
俺は再びクローゼットに押し込まれた。


「二郎の身柄は拘束した。返してほしくば……何?」

俺に聞いてきた。
えーと、

「決まりを守れー。俺ともっと会話しろー。体育の時間はキスマークを付けるなー。」


「条件を飲め。」


「わかったよ!飲むよ飲む!二郎に嫌われるの1番ヤだし!」


「解放。」
乙矢がクローゼットを開く。七生は正座していた。


「ごめんなさい」
七生と同じ高さに屈んで肩に手を置く。


「別に触られたりは嫌じゃないんだ。
ただ、俺達の関係は他所からだと理解されにくい、ましてやまだ10代で子供だと思われがちだ、たやすく壊されてしまうよ。
だからさ、二人の決まりで大切に守っていこう?」


「……わかった。」
七生が静かに理解を示す。

「甘やかし過ぎだ。七生が我が儘なのは二郎が面倒見いいからなんだぞ。」
乙矢の厳しい指摘。


「うるせー!二郎いじめるな!」
七生が庇ってくれた。


「いや、自覚はあるんだけど七生の面倒見るの好きみたいでつい……」
お恥ずかしい限りで。







「……愚かな奴ら」
乙矢の深い溜め息が俺達を呆れていることを強調させた。

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