《MUMEI》 友達から〜麗羅視点〜 腕を掴まれたので後ろを振り返る。 すると昨日の奴Aが、自信なさげに上目遣いで質問してきた。 「麗羅チャン……俺のことどう思ってる? 俺って迷惑……?」 迷惑……? それは私の方だろ。 「他人」 私がそうと言うと昨日の奴Aは、しゅんと肩を落とし酷く悲しい表情を浮かべる。 でも私の言葉には続きがある。 「だと思ってたけど今は、友達だと思ってる。 迷惑?」 私の言葉の続きを聞くと顔をバッとあげ私を見つめる。 驚いた表情がみるみるうちに、パァッと明るくなり満面の笑みを浮かべる。 「迷惑じゃない!!迷惑なわけない! すっごい嬉しい♪俺のことは歩って呼んで! でも俺は、ずっと友達でいるつもりないからね♪」 最初は無邪気な笑顔だったが、最後の方は真剣な顔になりニヤリと笑みを浮かべた。 私はよく意味が分からなかったが、歩の様子から悪い意味ではないことが伺えたので、深く追求しなかった。 すると歩はまた無邪気な笑顔を浮かべ、片手を差し出す。 「友達からでよろしく♪」 友達"から"……? 私が意味を考える暇もなく、歩は私の右手をぎゅっと握り締め握手をした。 そして手を繋いだまま歩は「帰ろ〜♪」と私に微笑みかけ、手を引っ張る。 歩に手を引かれ屋上を後にした。 前へ |次へ |
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