《MUMEI》
始まりときっかけ
私達に“未来”なんてあるのかしら−−…

あの子がいつも口にしてた言葉。

あの子が死んでもうすぐ2年経つのに、

この世界は未だ変わらない。

あぁ、私はなんでこんなに、

惨めなんだろう。

惨めなんだろう−−…


ふと、私は自分で思う。
療養所の端っこで横になりながら思う。
考えたって仕方ない事なのに。

「秋沢隊長、新選組の土方さんがお呼びです。」

1人の男が私を呼ぶ。
私はむくっと起き、その男の方へ向かう。

「分かった今行く。」

男に保たれるがまま私は行く。
また“あの事”を思い出しながら。

そう、あれは2年前。
私を裏切り、感情を破壊した1人の少女の話。
私と同じ目で私を殺した1人の少女の哀しいお話−−…

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