《MUMEI》

深夜なのだから、当然だろう
そう毒づいてやったのは心中のでの事
身体はすっかり逃げの体勢で、腰がどうしても引けてしまう
「……もう少し、寝て居ろ」
まだ早い、と相手の手が田所の指をなでる
触れられた瞬間は恐怖の方が勝っていたのだが
その手の柔らかさに、また夜中と言う事も重なって瞼が落ちていく
もういい、今日はこのまま寝てしまおう
考える事に疲れてしまった田所は、ソレを取り敢えずは放棄し
そのまま緩々と寝に入っていったのだった……

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