《MUMEI》 . 次の日も黒猫がやってきました。 「あ‥黒猫さん…。」 ねこはこの黒猫の事が苦手でした。 自分の事を『犬のようだ』と笑ったからです。 「今日は何の用ですか?」 だから無意識に冷たい態度をとってしまいます。 けれど、黒猫は全く気にする気配を見せる事なく、昨日と同じ調子で話し始めました。 「お前、猫ってどんなものか知ってるか?」 「はい?何言ってるんですか…」 ねこはいよいよ腹が立ってきました。 猫に“猫とは何か”と問い掛けるなんて 「猫というのは、僕や君みたいな生き物の事を言うんですよ!」 ねこは毛を逆立たせ、フーッと威嚇します。 けれども黒猫は驚きもせず、ゆっくりと首を横に振りこう言いました。 「違う違う。俺が言いたいのは、そう言う事じゃぁないんだ。」 前へ |次へ |
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