《MUMEI》 「ハア、ハア、ハア」 走る。奴等も追いかけてくる。 焦る。 先程殴られた頬がまだ痛んでて。 昔親父に何度か、怒られて殴られたことがあったけど、でもそんなの比じゃないくらい痛かった。 「とまりやがれっ!」 ヤバい、ヤバいヤバい! 奴らまだ追いかけてきている。 しつこい… 後ろからやつらは、野次を飛ばしながら追いかけてきて。 更にスピードを上げる。 すると、俺のすぐ横にあるドラム缶に何かが強くあたる音がした。 …何だ? 振り向くと、やつら、物まで飛ばしてきている。 ヤバい! 更にスピードをあげようとしたとき。 …? 何も聞こえない。 何も、聞こえなくなった。 音が消えた。 今まで後ろから煩く聞こえていた、野次や、物の飛び交う音が、一瞬にして消えたのだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |