《MUMEI》

「ハア、ハア、ハア」

走る。奴等も追いかけてくる。

焦る。

先程殴られた頬がまだ痛んでて。
昔親父に何度か、怒られて殴られたことがあったけど、でもそんなの比じゃないくらい痛かった。

「とまりやがれっ!」

ヤバい、ヤバいヤバい!

奴らまだ追いかけてきている。
しつこい…

後ろからやつらは、野次を飛ばしながら追いかけてきて。

更にスピードを上げる。

すると、俺のすぐ横にあるドラム缶に何かが強くあたる音がした。

…何だ?

振り向くと、やつら、物まで飛ばしてきている。

ヤバい!

更にスピードをあげようとしたとき。

…?

何も聞こえない。
何も、聞こえなくなった。

音が消えた。
今まで後ろから煩く聞こえていた、野次や、物の飛び交う音が、一瞬にして消えたのだ。

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