《MUMEI》 「あ、生きてた」 後ろにいたのは、俺より2才年下くらいの目鼻立ちの整った、若干童顔の可愛らしい小柄な少女。 ロングスカートやらシマシマのレギンスやら長い羽織ものやら。 頭には冬に被りそうなボンボンのついた帽子やら。 なんだか冬着を着こんだような洋服を着ている。 「……」 「なんですか! その『なにお前』みたいな目!」 いきなり話しかけられてそんなことを言われても、困る。 し、実際そんな顔をしていた自分に納得できる。 でも、ここまで馴れ馴れしく話しかけてくるということは、知り合いだろうか。 といっても、俺にはこんな女に見覚えはなかった。 「…誰ですか。」 恐る恐る聞いてみる。 すると女は「ハッ」と何か思い立ったように言った後、動きが一瞬止まる。 そして女は目を見開いたと思ったら、「そういえば忘れてた」と言って咳払いをした。 「私の名前はシンカ。 明日森シンカ。 キミを彼らの元へ案内しろとの命を受け、この時代に来ました。」 かしこまった様子で、女は言った。 前へ |次へ |
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