《MUMEI》

「彼ら?」

「はい。まー、とにかくついてきてください。」

そういうと女は、左手を空にかざした。

「…!」

思わず、目を見開く。
女が手をかざした先は、まるで空間が裂けたような謎の割れ目ができていた。

「驚きました?
これは『時の狭間』に繋がる空間の裂け目。
『時の狭間』にいけば、どの時間にも、時代にも往来が可能になるのです。」

口をポカンと開け、立ち尽くしている俺を横目に、女は得意気にそういった。

「それから私のことはシンカとお呼びください。

それでは、いきましょう。」

女―シンカはそういうと、当然のように歩き始める。

俺は少し躊躇ったが、少し息を吐いた後、それに足を踏み入れた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫