《MUMEI》
地獄スクールライフ
「今日の授業はここまで!」
先生が威勢良く発した言葉にみんなの肩の力が抜ける。
「1日長っ!」
「眠い・・・限界・・・」
「疲れた〜誰か今日カラオケ行こうぜ〜」
「私も行く!」
「じゃぁ、俺も便乗して!」
みんな、学校終わったら遊ぶんだ・・・。少し羨ましいな。
私は、これから一旦家に帰ってから、雑誌の撮影に行かなければいけない。
何よりも面倒なのは、衣装替え。
衣装に合わせてメイク、髪型を変えなければならないからだ。
「愛鈴、一緒に帰ろうよ!」
「あ、ごめん。今日撮影あって。マネージャーに連絡しないといけないから」
「そっか。また、帰れる日に帰ろうね!」
「うん」
マネージャーと軽く連絡を取り、考えていた。
恋人ごっこ・・・かぁ・・・。まぁ、
手は出さないってことだから、良いんだけど・・・。
そうこう考えている内に、教室には私と夕季だけになった。
「帰ろうぜ」
「い・・・一緒に・・・?」
「(小声)俺たち、恋人同士だろ?」
背を屈めて、耳元で囁いた。低く、どこか安心する声が耳に広がった。
「うん・・・」
「じゃぁ、帰るぞ」
さり気なく指を絡めてくる。本当に恥ずかしい・・・。

パシャッ・・・パシャッ・・・

写真を撮る。
「長谷川愛鈴・・・夕季様と仲良く歩いちゃって」
2人を影から睨む生徒の姿があった。
「覚悟しなさい」

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