《MUMEI》
愛鈴の蘇る過去 〜言葉〜
「あんた、アイドルでちょっと構って貰えるからって、調子乗ってるでしょ!?」
「そ・・・そんなことないよ」
意味が分からない。普通に学校に来てるだけなのだ。
普通の中学生でいたいだけだ。
「あんた見てると腹立つのよね」
「あんたなんて全然可愛くないのよ! この、ブス!」
そんなの分かってる。私なんて全然可愛くない。
でも・・・私だって・・・生身の人間だ。この人達と何一つ変わらない。
傷付くはずが無いのに・・・涙が溢れた。
「いつも化粧してるし ?校則違反だってわかってる?」
「先生が許してくれたから・・・」
許可も無しに化粧してる人たちに言われたくない。
自分のことを棚に上げて言われたくなんか無い!
「そうやってあんただけ特別扱いなのね」

「お母さん」
「ん?」
「私って、ブス?」
「何で?」
「最近、みんな、どんどん可愛くなってるから・・・」
「愛鈴は愛鈴のままで良いのよ」
「そっか・・・。そうだよね」
学校で散々罵られ、辛かったけど、もう大丈夫・・・。

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