《MUMEI》 遠くで、私の名前を呼ぶ声がする。 何処だろう? あれ、上と下の両方から聞こえる。 下は、赤崎君だ。 ありがとう。 そんなに呼んでも、もう戻れないよ。 でも、ありがとう。 私のために泣いてくれて、ありがとう。 上は…? 知らない人達だ。 本当は赤崎君の元に行きたいけど、きっと、驚かせちゃうよね。 うん。 上に行こう。 ………でも、これだけ、届けていいかな。 どうしても、言いたいや。 前へ |次へ |
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