《MUMEI》
その名前は...(佐野 レイ)
「はて、なんだったかの...」

「え、どMが一番喜ぶ殴り方の話だろ?」
そんなことも忘れたのか。

「え、あ、いや。...そうだっけ?」


「姉者!!」

「ハッ、危うく誘導されるとこじゃった」

チッ、邪魔しやがって

「お前の名を聞いていたんじゃ。いい加減答えたらどうじゃ?」

「名乗る名など、捨ててきた!」

「言いたかっただけじゃろ?」

くっ、ばれてたか
しょうがない

「俺の名前はな、くおえうぇーう...だっ」

「その滑舌の悪い舌を切り落とされたいか?」

「...ツバキ」

「ツバキ...か、春に咲く、良い花じゃ」

「俺は開花したい。ツバキに。そのためには【ハル】カが必要なんだ」
おっと、あぶね
真面目な展開になっちまう。

「ツバキは春の陽気がないと咲かんからな」
言って、彼女は微笑んだ

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