《MUMEI》 宮本 美早希〜歩視点〜 遠回しに告白しちゃうなんて、俺ってばやるぅ〜♪ 蝶野と海に追いつき、麗羅ちゃんと繋いでいた手を自然に離す。 「2人で何話してたの?」 蝶野がニヤニヤしながら俺に尋ねる。 海も蝶野と同じような表情を浮かべ頷いている。 「秘密!」 そう答えると、2人の横を通り抜け階段を駆け降りる。 「あっ、歩っち待ってよ」 明るい蝶野の声が背中から聞こえたので、振り向いてべっと舌を出す。 「も〜」 笑い声とパタパタという音が階段に響く。 そんなやりとりをしていると、あっという間に玄関に着く。 「俺、部活があるから!また明日な」 みんなの方を向いたまま、両手を振り後ろに下がっていく。 「また明日ね」 「じゃあな」 蝶野と海は、大きく手を振り返す。 麗羅ちゃんは照れながらも、腰より少し上まで手を挙げて手を振り返している。 ………… うわっマジ可愛い!! 昨日までオール無視だったのに。 俺は、麗羅ちゃんが反応を返してくれるという幸せを、これでもかという程噛みしめる。 最後にみんなに大きく手を振り返し、くるりと向きを変えて走り去る。 部室に着き、ささっと着替えを済ませて体育館に向かう。 体育館に入り、男バスのコート向かっているとマネージャー希望と思われる女の子が目に入る。 あれ……? 美早希? でも、マネージャーになりたいとか言ってなかったのに。 疑問符を浮かべながら、ぼーっとしている間に大体バスケ部のメンバーが集まっていた。 キャプテンの集合っという声が掛かり、集まり大きな円を作る部員達。 円が完成するとキャプテンが、その女の子に自己紹介を促したので、女の子は自己紹介を始めた。 「1年2組の宮本 美早希(みさき)って言います。 選手を支えられるマネージャーになりたいと思っています! 頑張るのでよろしくお願いします!」 美早希がぺこりとお辞儀をすると拍手がおこる。 前へ |次へ |
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