《MUMEI》
自嘲。
全てを話した。
ミクちゃんが誘拐されてしまったこと。
4人で探し回り、救い出そうとしたが、返り討ち寸前にまでなってしまったこと。
その時に《俺人格》が生まれたこと。
救い出すことに成功したが、結果的にミクちゃんの記憶が失ってしまったこと。
誘拐された記憶を思い出させないために、5人がバラバラになってしまったこと。
全てを、話した。
その間、ミクちゃんは黙って頷くだけだった。
時々、瞳が潤んでいるように見えたのは、気のせいではなかった。
「これが……全てだ」
事実、ミクちゃんは話を終えたら、涙が溢れ出ていた。
「……私の……せいだったんだね」
「違う」
否定しても、ミクちゃんの自嘲は止まらない。
「私が誘拐されて……助けてもらった時にただでさえ迷惑かけたのに……!記憶もなくなって、みんなをバラバラにさせた……」
嗚咽し、手のひらで両目を抑える。
「私の…………せいじゃんか…………」

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