《MUMEI》

警察本部へ帰った桃花は早速、資料を仕上げた。
「ねえ」
「どうしましたか」
「女子中学生が、児童を持ち上げて叩きつけるってできると思う」
「いきなり何をでも児童の軽さにもよるし、筋肉量にもよりますよそんな、三十キロもする子供を
持ち上げて叩きつけるなんて女子中学生にも無理があります」
「だよね、今回の事件でさ女子中学生が三十キロの児童をたたきつけたなんて事件があったから」
「証言は」
「小学生低学年の児童たち」
「それなら、まだ判断能力が薄いですし、直接現場を目の当たりにしていますから
パニック状態に陥って冷静に説明が困難だったのかも」
「よね、向こうの教師たちも私たちの話には誰も答えなくて、みんな私は見てませんって態度だもの」
「それは、酷い」
第一、事件現場を目の当たりにして、パニックに陥っている児童に話をきけと
「教師は誰ひとり事件現場には」
「いないに決まってるでしょ」
そこに、一人のベテラン警部がすわる。
「あの、小学校は以前にも不審者が侵入して児童をナイフで刺したなんて事件があって
それに、あの小学校は管理がずさんなのよ」
「ずさん」
「ええ、事件が起きたのにPTAや保護者の付添なしの登下校
パトロールしても注意される」

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