《MUMEI》 無い・・・昼食を済ませた私たちは教室に戻って唖然とした。 教室中に貼られた紙、紙、紙。 そこに書いてあることは様々。 「長谷川愛鈴、死ね。」 「学校来んな」 「夕季様に近付くな、失せろ」 などと、怒りの矛先は完全に私に向けられていた。 夕季が標的になっていないだけ安心した。 でも、すぐに別の感情が湧き出てきた。 ・・・ ・・・ ・・・ そうすれば本当にみんな幸せになる? 誰も悲しまない? 「これが現実になったら、本当にみんな幸せ?」 「当たり前でしょ、夕季様に纏わり付くゴミが消えるんだから!」 「まぁ、ヤる気になる相手が居なくなるのは寂しいけどな」 「あー分かるわ〜」 「ヒドいな〜」 そっか・・・。 私なんて、最初から要らなかったんだ・・・。 最後にお父さんとお母さんに会いたいな。 どうせ居なくなるんだったら、ちゃんと顔合わせはしたい。 行ってこようかな・・・。 そう・・・今の私に、居場所なんて どこにも無い・・・。 前へ |次へ |
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