《MUMEI》

佐藤の父親は 息子が一生独り立ちできないことを覚悟したらしい

たぶん自分が死んだ後のことをいろいろ考えてたんだろうな

ウチは佐藤家の近所で付き合いあるから、佐藤の親父さんはよくウチの親父のとこにも相談しにきてた

なんでも自分達の老後の資金として貯めていた金で、佐藤のクズが一生食べていけるか心配してた

当時は俺はまだガキだったから、あまりよく理解できなかったけど、家と土地も処分しようとしたみたい

俺は一緒に話を聞いていて呆れた

口には出さなかったけど

ほっときゃいいのにな…と思った

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫