《MUMEI》
信じる。
コツン、とミクちゃんの頭を拳を置くように叩く。
「馬鹿野郎。だから、違うって言ってんだろ」
ミクちゃんは頭を抑えながら「だって…………だって…………」と呻く。
「お前のせいだとかあいつらが言ったか?誰かが思ったか?」
ミクちゃんは首を横にふる。
「だろ?あいつらはそんなこと絶対に思ったりしない。誰のせいでもねえよ。少しは信用しろ。俺達を」
だが、ミクちゃんは頷かない。
「……あぁ、そうか。俺が何言っても……伝わんねえよな」
ミクちゃんは俺を神名薫と認めてないから。
「ミクちゃん。お前の好きな食べ物は?」
「え……、パエリアだけど……」
「じゃあ嫌いな食べ物は?」
「…………人参」
「知っている」
ミクちゃんの頭を撫でる。
「全部知っている。信じられないかもしれないが、俺も神名薫なんだ。あいつが知っていることは、俺も知っている」
一瞬、ミクちゃんの涙が止まる。
「今はいいさ。信じられなくても……」
俺は、『僕』のように笑えない。
それでも、ミクちゃんを安心させたくて、微笑む。
「この言葉は信じてくれ。神名薫は必ず、君を守りきって、助け出してやる」

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