《MUMEI》 漆黒の少女夜、普通の人はもう寝静まるころ、一人の少女が誰もいない暗闇の中を歩いている。 外見は16歳ぐらいで黒い綺麗な黒髪、黒く透き通る様な瞳、黒いぼろぼろのコートを羽織っていた。 そして、背中には柄も鞘も黒いとても少女が持てるとは思えないくらい重そうな刀らしきものを背負っていた。 ふと少女が立ち止まる。 その先に人らしきものが立っていた。 その人らしきものは仮面を付けていた。 そしてその人らしきものが少女に近付く。 少女は表情一つかえない。 その人らしきものは剣を抜いた。 そしてたずねた。 ?「貴様、名を何と申す。」 いきなりの質問だった。 わけのわからない質問だった。 顔もわからない、むしろ人間かもわからない様なものにたずねられた質問だ。当然答えるわけがない。 少女は未だ表情一つ変えず答えた。 ?「貴様の様な雑魚に語る名など無い。」 そして逆にたずねた。 ?「貴様は何者だ。」 すると、その人らしきものは、 ?「我、人ならざるもの、[魂喰(たまぐらい)]なり。」 と答えた。 ?「魂喰…」 少女は呟く。 すると魂喰が、 魂喰「貴様、見たところ人間のようだな。」 と迫ってきた。 ?「だったらどうする?」 逆にたずねる。 その質問に魂喰は、 魂喰「貴様、なかなか良い匂いがする。貴様の命もらいうける。」 そう言いながら少女に襲いかかる。 少女は背負っている刀を抜いた。 そして魂喰の攻撃をかわす。そのできた一瞬の隙に魂喰の背後から切り掛かる。しかし魂喰はすぐに気付いて背後を振り返る。 …一瞬だった。 その一瞬の間に何があったかはわからない。 ただ一つ言えることは、その少女の前に人の様なものが転がっていることだ。 しかしその魂喰はまだ息があった。 魂喰「……なぜとどめを刺さない。」 その魂喰の質問に少女は、 ?「貴様ごときとどめを刺す価値も無い。貴様は魂喰の中でも下っ端。貴様等のボスに伝えておけ。この漆黒の狩人[クロカリ]が相手をすると。」 すると真夜中の空から、 ?「そりゃ〜本当かい?」 と言う声と共に男の人が降りて来た。 ?「お前が相手するって?まだガキじゃねえか。」 そう言いながら目の前の表情一つかえない少女に近付いた。 クロカリ「お前は何者だ?」 少女は相変わらず表情一つ変えずにたずねた。 ?「俺?いやお前自分で言ったじゃん。」 男の人はキョトンとした顔でそう言った。 クロカリ「どう言う意味だ。」 少女はたずねる。 するとその男は、 ?「だ〜か〜ら〜俺が魂喰のボース!!」 と少し怒り気味に言った。 少女は初めて表情が変わった。 クロカリ「なんだと?」 少女は少し驚いた様な顔でそう言った。 ?「俺が魂喰のボス、[ラクール]だ。よろしくな!」 魂喰のボスは自らをそう名乗った。 クロカリ(よろしくだと!?私は敵だぞ。こいつバカなのか?) 少女は混乱していた。 敵であるはずのものが、馴々しい態度で接してくる。 こいつは余裕を持っているのか、それともこいつがバカなのか。 この目の前にいる男の裏が読めない。 するとその読めない男が、 ラクール「じゃ、さっさと始めるか!」 そう言うとどこに隠し持っていたかもわからない大きな槍を取りだし構えた。 ラクール「どうした?さっさと構えろよ。」 と言った。 それに気付いたのか少女もその黒く光る刀を構えた。 ラクール「通り名がついているほどの実力、見せてもらうぜ!!」 そう言うとその男は目にも止まらぬ速さの突きを繰り出した。 少女はその攻撃をかわした。そしてそのまま回し蹴りを掛ける。 蹴りは命中し、男は体勢が崩れる。そして、今とばかりに少女は男に切り掛かる。 しかし攻撃はあと少しのところで槍に弾かれ、そこでいきなり爆発が起きた。 ラクール「これが俺の槍、[爆発槍]の能力だ!!」 男は笑いながらそう言った。 次へ |
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