《MUMEI》
穏やか。
別の薫くんの表情は、穏やかだった。
安心させようとしたのが、伝わってきた。
正直、まだ薫くんだって信じられない。
信じられない、けど。
心が、少し見えた時、真っ直ぐに私を見ていた。
それは、私のよく知ってる薫くんと同じだ。
見入って、しまった。
いつの間にか、涙は止まっていた。
私も、自然に笑うことができた。
「か……」
薫くん。
そう発音する寸前に、扉が開いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫