《MUMEI》
バトルズ グロウィング
「ぐるるぅううぅぅァァあ!」

「やだやだやだやだやだやだ!キモいキモいキモい!」

ちらほら人の見える暖かな草原に、雑魚の唸り声と俺の妹の悲痛の叫びがこだましていて、かなり背景に似つかわしくない光景だ。

「大丈夫だって!お前のレベルじゃ、こいつらは武器無しでも勝てるから!」

「無理無理無理無理無理!」

人通りを越えて屋根から屋根まで跳び移った時よりも慌てていて、腰が退けている。

まぁ、敵が動かない`高さ´から動いて、しかも攻撃してくる`雑魚(モンスター)´に変わったのだから、当然と言えば当然か。

しかし、まだその雑魚までは十メートル弱はある。

これはいくら何でも怯えすぎではないだろうか。

俺の顔のすぐ隣をパタパタと飛んでいる俺の所持精霊アイもこのビビり度数に若干の呆れ顔だ。


「これは、酷いですね…。」


「……あぁ。…なんか……ごめん。」


なんとなく謝ってしまうレベルだ。

「ていうか、なんで剣なのよ!もっと遠くから狙えるヤツが良かったのに。」

「だから、最初に基礎となるこのゲームでの体感を鍛えるって言ってるだろうが。ここをしっかりしとかないと、後の戦いで完全にお荷物確定だぞ。」

「それは嫌!」

相変わらず涙目だが、俺の言葉に腹を括ったのか、じりじりと効果音が背後に見える位にゆっくりと、相手に詰め寄って行く。

本当の本当に念の為だが、回復アイテムと蘇生アイテム、俺の相棒 聖紫光ドゥーカス の準備は万端だ。

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