《MUMEI》

「好きなやつって誰だよ!」


「言わない。哉夜に言ったら、彼を殴りにいくでしょ…。」


「彼って、俺が知っているやつなのか!」


「知らない人よ…。」


誰だ…
誰なんだ。


「私、もう帰るね…。」


彼女は立ち上がった。


「待てよ!」


俺は彼女の手首を強く握った。


「痛いよ。」


俺は、手を少し緩めた。

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