《MUMEI》 奇跡……どうして……お父さん……… 私は親戚に引き取られそこで暮らしていた。何日たっても涙が枯れることはなかった。お母さんが死に、そしてお父さんが死んだ。6歳の私にはあまりに衝撃的で、この気持ちをどう紛らわしたらいいのか分からなかった。泣いて……ただ泣いて暮らす日々だった。 山本は両親を失った。 私も両親を失った。 でも父の死は事故じゃない、そこだけが違った。 山本は事故を起こした父を恨んでいた。 なら、私も恨んでいいはずだ。 父を責めた山本を。 そんなことを考えながら眠った時、奇跡が起きた。 −−このことは今から考えても不思議な体験だ。本当に奇跡としか言いようがない。 前へ |次へ |
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